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ナマケモノ その2

ナマケモノ科

「運動しないで食べて寝てばかりいると病気になってしまう」
「そんなに休んではいられない何か少しでも生産的なことをしなければ」
という風に現代社会に生きる私たちは、何もしないでただくつろいでいることに、なぜか罪の意識を感じてしまいがちです。

しかしナマケモノの生態について知ると「少しぐらいペースを落としても大丈夫、ゆっくりしようじゃないか」と思えるようになるでしょう。

熱帯雨林に生息する

中南米の熱帯雨林を主な住処とするナマケモノは体長50~64センチメートルで、体重は4キロ~9キロ、全身長い毛で覆われた愛嬌のある哺乳動物です。

ナマケモノは一生のほとんどを樹上で過ごします。
そして一日のうち18時間は木にぶら下がって寝ています。
前肢と後肢のすべての指に大きな鉤爪があって、それを枝に引っかけて寝るのです。

ナマケモノ科に属する動物は前肢の指の数から、ミユビナマケモノと、フタユビナマケモノの2属にわかれます。
より動きがスローなのはミユビナマケモノ属の方で、ブラジルに生息しているノドジロミユビナマケモノやタテガミナマケモノなどがその仲間です。

食事

ナマケモノは植物の葉や蔓、花などを食べる草食動物です。
普段からあまりにも動きが少なく、しかも夜行性なので、ちょっと観察しただけではその生態を知り尽くすことはできず、研究者の間でも一種類の葉っぱしか食べないとされてきましたが、現在は90種類にも及ぶ植物を食べることが知られています。

しかも個体によって好みが異なり、一生何本かの好きな葉っぱの樹木の間を渡り歩きながら暮らすのです。

環境維持に貢献している

いつも木の枝にぶら下がっているように思えるナマケモノですが排便の際は、20~30メートルの高木からゆっくりゆっくり地上に降りてきます。

ピューマなどの捕食動物に襲われる可能性が高くなるのに、なぜわざわざ面倒なことをするのでしょうか。

実はここでナマケモノが単なる省エネ型ののんきな生き物ではなく、森のために大きく貢献している賢い生き物であることがわかるのです。

日本の本州のように温暖な気候においては枯れた植物や落ち葉などは、バクテリアによってゆっくりと分解されて、元の土に還元され、腐葉土となって大地を豊かにします。

熱帯雨林では気温が高すぎて、その過程が速く分解されるや否や、それを植物がただちに吸収してしまうので、土壌はいつまでも貧弱なままなのです。

ナマケモノは地表に下りて穴を掘り、その中に排泄し枯れ葉でふたをします。
そうすることで分解速度が遅くなるので、自分がお世話になっている樹木の根に、栄養を届けることができるのです。

のんびりゆっくりしたナマケモノからも、さまざまなことが学べるものです。